アクリルガッシュの魅力と活用方法|初心者からプロまで使える万能絵具

1. アクリルガッシュとは?

アクリルガッシュとは、水性アクリル絵具の一種で、不透明でマットな仕上がりが特徴の絵具です。通常のアクリル絵具は乾燥後にツヤが出ることが多いのに対し、アクリルガッシュは均一なマット感を保ち、鮮やかな発色が持続します。そのため、デザインやイラスト、ポスター制作、さらには絵画作品まで幅広い用途で使用されています。

2. アクリルガッシュの魅力

① 鮮やかで不透明な発色

アクリルガッシュは顔料濃度が高く、不透明度が高いため、下地の色に影響されにくいという特徴があります。そのため、紙やキャンバスの色を気にせず、思い通りの色を表現できます。

② 速乾性で作業がスムーズ

アクリルガッシュは水性でありながら、乾燥が速いのも魅力です。油絵具のように長時間乾燥を待つ必要がなく、短時間で重ね塗りや修正が可能です。特に、イラスト制作やデザインの現場では、作業効率が向上します。

③ 水で薄められるが耐水性もある

アクリルガッシュは水で薄めて使用できますが、乾燥後は耐水性を持ちます。そのため、水彩のようなにじみを活かした表現もでき、乾燥後にはしっかりと色を定着させることが可能です。乾燥後であれば描いた箇所に加筆しても下の色は溶け出すことはありません。

④ マットな仕上がりでムラが少ない

光沢がなく、落ち着いたマットな仕上がりになるため、均一な色面を作りやすいのも特徴です。特に、デザインやポスター制作など、ムラのない仕上がりが求められる作品に適しています。

⑤ さまざまな素材に使える

紙やキャンバスだけでなく、木材、布、プラスチックなどにも定着しやすいため、幅広いアート作品に活用できます。

アクリルガッシュで描ける素材
紙、木、キャンバス(水性)・モルタル・石・スレート・ガラス・アルミ・鉄・カラートタン・硬質塩ビ・スチロール・発泡スチロール・アクリルほか
アクリルガッシュで描けない素材
ポリエチレン(PE)・ポリプロピレン(PP)・ナイロン・軟質塩化ビニール・油性キャンバス・油絵具
※ターナー色彩パンフレットより

3. アクリルガッシュの活用方法

① イラスト・デザイン制作に

アクリルガッシュは、ポスターや広告デザイン、イラスト制作などに多く使用されます。不透明で鮮やかな発色が求められる場面で特に活躍し、グラフィックデザインにも適しています。

② 絵画・アート作品に

油絵や水彩とは異なる質感を楽しめるため、アクリルガッシュを使ったアート作品も人気です。特に、重ね塗りやテクスチャー表現を工夫することで、独自の作風を確立できます。

③ ミクストメディアアートに

アクリルガッシュは他の画材とも相性が良く、水彩絵具や色鉛筆、ペンなどと組み合わせることで、さまざまな表現が可能です。特に、インクやコラージュと組み合わせたミクストメディア作品におすすめです。

④ 布や木材を使ったクラフト作品に

Tシャツやトートバッグのデザイン、木製雑貨のペイントなど、クラフト用途でも活躍します。布に使用する場合は、定着剤(M.アクリルガッシュ ファブリック メディウム)を加えることで洗濯耐性を高めることができます。

4. アクリルガッシュを使う際のポイント

① 筆やパレットの手入れをこまめに

アクリルガッシュは乾燥すると耐水性を持つため、使用後はすぐに筆やパレットを洗うことが重要です。筆に絵具が固着すると使いにくくなるため、水を含ませながらこまめに洗いましょう。

パレットは手入れが不要なペーパーパレットがお勧めです。

② 乾燥時間を考慮して作業を進める

速乾性があるため、グラデーションやブレンドをする際は素早く作業することが大切です。時間をかけてぼかしたい場合は、リターダー(乾燥遅延剤)を使うと便利です。

③ 色の混色に注意する

アクリルガッシュは混色すると彩度が落ちやすいため、鮮やかな色を保ちたい場合は混色しすぎないようにしましょう。市販のカラーチャートを参考にすると、思い通りの色を作りやすくなります。

④ 使わないときはしっかり蓋を閉める

アクリルガッシュは乾燥しやすいため、絵具のチューブやボトルの蓋をしっかり閉めて保管しましょう。

5. まとめ|アクリルガッシュで表現の幅を広げよう!

アクリルガッシュは、不透明で鮮やかな発色、速乾性、マットな仕上がりといった魅力を持つ万能絵具です。イラストやデザインだけでなく、アート作品やクラフトにも活用でき、初心者からプロまで幅広く愛用されています。

これからアクリルガッシュを使ってみたい方は、まず基本的な色を揃えて試してみるのがおすすめです。ぜひ、自分だけの表現を見つけて、アクリルガッシュを楽しんでみてください!

こちらの記事も参考にしてください↓
ABOUT US
満園 和久
3歳の頃、今で言う絵画教室に通った。その絵の先生はお寺の住職さんであった。隣町のお寺で友達の3歳児とクレヨン画を学んだ。 それ以降も絵を描き続け、本格的に絵画を始めたのは30歳の頃。独学で油彩画を始め、その後すぐに絵画教室に通うことになる。10年ほどの間、絵画教室で学び、団体展などに出展する。 その後、KFSアートスクールで学び油彩画からアクリル画に転向しグループ展や公募展等に出品し続け現在に至る。 ここ20年程は、「太陽」「富士山」「天使」をテーマにして絵画を制作。 画歴は油彩を始めてから数えると35年になる。(2024年現在) 愛知県生まれ 愛知県在住 満園 和久 (Mitsuzono Kazuhisa)