アクリル画の仕上げを美しくするフレーミングの方法

アクリル画は、その鮮やかな発色と豊かな表現力が魅力の一つです。しかし、作品をより美しく仕上げ、長く楽しむためには「フレーミング(額装)」が重要になります。適切なフレームを選び、正しい方法で額装することで、作品の美しさが際立ち、保護効果も期待できます。

本記事では、アクリル画の仕上げを美しくするためのフレーミング方法を詳しく解説します。初心者の方でもわかりやすいように、基本的なポイントから具体的なテクニックまでを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

フレーミングの目的とは?

フレーミングには以下のような目的があります。

美観を向上させる

フレームを適切に選ぶことで、作品がより引き立ちます。作品の雰囲気やテーマに合ったフレームを使用することで、鑑賞者に与える印象が大きく変わります。

作品を保護する

アクリル画は紫外線や湿気、ホコリなどの影響を受けることがあります。フレームを使用することで、これらの要因から作品を保護し、長期間美しい状態を維持できます。

展示しやすくする

フレーミングを施すことで、壁にかけたり、イーゼルに立てたりしやすくなります。作品を適切に展示するためにも、フレーミングは欠かせません。

フレームの選び方

フレームの選び方は、作品の雰囲気やサイズ、展示場所によって異なります。以下のポイントを参考に、自分の作品に合ったフレームを選びましょう。

フレームの種類

フレームにはさまざまな種類がありますが、アクリル画に適したものを選ぶことが重要です。

  • 木製フレーム

自然な風合いがあり、温かみのある仕上がりになります。ナチュラルな雰囲気の作品におすすめです。

  • メタルフレーム

スタイリッシュでモダンな印象を与えます。シンプルなデザインのアクリル画や、抽象画に適しています。

  • フロートフレーム(浮かし額)

キャンバスを額の中に固定し、作品が浮いているように見えるフレームです。特にキャンバスアートに適しており、立体感を演出できます。

2-2. 色とデザインの選び方

フレームの色やデザインは、作品の印象を左右します。

  • 作品と同系色のフレーム:統一感があり、落ち着いた印象に。
  • 作品と対照的なフレーム:メリハリが生まれ、作品が引き立つ。
  • シンプルなデザイン:作品そのものを際立たせる。
  • 装飾のあるデザイン:クラシックな雰囲気を演出。

作品のテーマや展示する場所に応じて、最適なデザインを選びましょう。

フレーミングの方法

フレーミングの方法によって、仕上がりの印象が大きく変わります。基本的なフレーミングの手順を紹介します。

必要な道具を準備する

フレーミングには以下の道具が必要です。

  • フレーム
  • マットボード(必要に応じて)
  • アクリル板またはガラス(必要に応じて)
  • 裏板
  • 固定用のテープや金具
  • 吊り金具とワイヤー

作品のサイズに合ったフレームを選ぶ

フレームの内寸が作品のサイズと合っているか確認しましょう。マットボードを使用する場合は、その厚みも考慮してフレームを選びます。

マットボードを使用する場合

マットボードを使用すると、作品に余白が生まれ、見栄えが良くなります。特に紙に描いたアクリル画に適しています。

  • 色の選び方:白やベージュなどの無難な色が一般的ですが、作品のカラーに合わせて選ぶと統一感が出ます。
  • サイズの調整:作品よりも一回り大きなサイズを選び、バランスを考えましょう。

作品をフレームに固定する

作品がずれないようにしっかりと固定します。テープやクリップを使って固定する方法がありますが、テープを直接作品に貼るのは避けましょう。

裏板を取り付ける

裏板をしっかりと固定し、作品が動かないようにします。

吊り金具を取り付ける

壁掛けする場合は、吊り金具を取り付け、ワイヤーを通します。フレームの両端に取り付けると、安定しやすくなります。

フレーミングの注意点

直射日光を避ける

アクリル画は紫外線による色あせのリスクがあります。UVカット仕様のアクリル板を使用すると、色あせを防ぐことができます。

湿気対策をする

湿気の多い場所に飾ると、カビや変色の原因になります。除湿剤を使用する、風通しの良い場所に飾るなどの工夫をしましょう。

掃除とメンテナンス

フレームやアクリル板は、定期的に掃除をしてホコリを取り除きましょう。柔らかい布で拭くと傷がつきにくくなります。

まとめ

アクリル画のフレーミングは、作品の美しさを際立たせるだけでなく、長期間にわたって保護する役割も果たします。

フレームの種類や色の選び方、正しい固定方法を意識することで、作品をより魅力的に演出できます。

自分の作品に最適なフレーミングを施し、より美しく、長く楽しめるようにしましょう。

ABOUT US
満園 和久
3歳の頃、今で言う絵画教室に通った。その絵の先生はお寺の住職さんであった。隣町のお寺で友達の3歳児とクレヨン画を学んだ。 それ以降も絵を描き続け、本格的に絵画を始めたのは30歳の頃。独学で油彩画を始め、その後すぐに絵画教室に通うことになる。10年ほどの間、絵画教室で学び、団体展などに出展する。 その後、KFSアートスクールで学び油彩画からアクリル画に転向しグループ展や公募展等に出品し続け現在に至る。 ここ20年程は、「太陽」「富士山」「天使」をテーマにして絵画を制作。 画歴は油彩を始めてから数えると35年になる。(2024年現在) 愛知県生まれ 愛知県在住 満園 和久 (Mitsuzono Kazuhisa)