アクリル画やアクリルガッシュ画は、発色の良さや速乾性が魅力の画材ですが、時間が経つとホコリや汚れ、紫外線による色褪せの影響を受けることがあります。
こうしたダメージを防ぐために「ニス」が重要な役割を果たします。
本記事では、アクリル画・アクリルガッシュ画をニスで保護する方法と種類について詳しく解説します。
なぜアクリル画にニスが必要なのか?
アクリル絵具は乾燥後に耐水性があり、比較的強い塗膜を形成しますが、完全に無防備ではありません。以下の理由から、ニスによる保護が推奨されます。
紫外線による色褪せを防ぐ
アクリル絵具の顔料は紫外線の影響を受け、時間とともに退色することがあります。特に室内の明るい場所や直射日光の当たる場所に展示する場合は、UVカット効果のあるニスを塗ることで色の鮮やかさを保てます。
汚れやホコリから守る
ニスを塗ることで、表面に透明な保護層ができ、ホコリや汚れが直接絵具の層に付着するのを防ぎます。特にアクリルガッシュは比較的水で溶けやすいため、ニスを使わないと簡単に汚れが付着する可能性があります。
表面の統一感を出す
アクリル絵具は、色やメーカーによって光沢の違いがあります。ニスを塗ることで表面のツヤを統一し、作品全体の仕上がりを美しく整えることができます。
ニスの種類と選び方
アクリル画やアクリルガッシュ画に使用できるニスには、いくつかの種類があります。
光沢の違いによる分類
ニスの種類 | 特徴 |
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グロス(光沢)ニス | 鮮やかな発色を強調し、ツヤのある仕上がりになる |
サテン(半光沢)ニス | 程よいツヤで、グロスとマットの中間的な質感 |
マット(つや消し)ニス | 光を反射しにくく、落ち着いた仕上がりになる |
グロスニスは色の鮮やかさを強調し、マットニスは落ち着いた質感を出すため、好みに応じて選びましょう。
水性ニスと溶剤系ニス
ニスの種類 | 特徴 |
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水性ニス | 水で薄めることができ、臭いが少ない |
石油系の溶剤系ニス | 強い耐久性があり、プロ向けの仕上がり ※注意:トルエンやキシレンなど強い有機溶剤系ニスは、アクリル絵具を溶かしてしまう可能性があります |
初心者には扱いやすい水性ニスがおすすめですが、より強い保護が必要な場合は溶剤系ニスが適しています。
アクリル画にニスを塗る方法
必要な道具を準備する
- ニス(グロス・サテン・マットから選択)
- 平筆またはスプレー(エアゾール)
- 清潔な布
- マスキングテープ(必要に応じて)
- 換気の良い作業スペース
ニスを塗る前の準備
- 絵の完全乾燥を確認(最低1週間以上)
- ホコリやゴミを除去(柔らかい布で軽く拭く)
- 作業スペースを整える(新聞紙などを敷く)
ニスの塗り方(筆塗りとスプレー塗り)
筆で塗る場合
- 平筆にニスを適量含ませる
- なるべく一方向にムラなく塗る
- 完全に乾燥するまで触れない(約1〜2時間)
- 必要に応じて2回塗り(1回目が乾いてから)
スプレーで塗る場合
- 室外または換気の良い場所で行う
- キャンバスから20〜30cm離してスプレーする
- 軽く数回に分けて重ね塗りする
- 乾燥時間を十分にとる
ニスを塗る際の注意点
- 厚塗りしない(ムラや気泡ができる原因になる)
- 湿度の高い日は避ける(乾燥が遅くなりムラができやすい)
- 試し塗りをする(特にマットニスは白濁する可能性がある)
- 可逆性のあるニスを選ぶ(将来的に除去したい場合)
作品の長期保存とメンテナンス
ニスを塗った後も、作品を長く美しく保つために、以下のポイントに注意しましょう。
保管方法
- 直射日光を避ける
- 湿気の多い場所に置かない
- 作品同士が直接触れないようにする
定期的なクリーニング
- 乾いた柔らかい布で軽く拭く
- 水やアルコールは使用しない
まとめ
アクリル画やアクリルガッシュ画を長く美しく保つために、ニスは重要な役割を果たします。光沢の種類や塗り方を理解し、適切なニスを選びましょう。
ニス選びのポイント
- 鮮やかな発色を保ちたい → グロスニス
- 程よい光沢感を求める → サテンニス
- 落ち着いたマットな仕上がり → マットニス
- 初心者には水性ニスが使いやすい
作品の保護だけでなく、美しい仕上がりにも影響を与えるニス。自分のスタイルに合ったものを選んで、長く愛される作品作りを目指しましょう!
