アクリルガッシュの長所、短所、そして短所の克服方法

アクリルガッシュの長所

1. 鮮やかな発色

アクリルガッシュは高い顔料濃度を持っているため、鮮やかで豊かな発色が特徴です。
これにより、鮮明で力強い作品を制作することができます。

2. 速乾性

乾燥が速いので、重ね塗りや修正がスムーズに行えます。
これにより、作業時間を短縮し、効率的な制作が可能です。

3. 耐水性

一度乾燥すると耐水性を持つため、作品が水に触れても色が流れることがありません。
これにより、完成作品の耐久性が向上します。

4.マットな仕上がり

アクリルガッシュはマットな質感を持つため、光の反射を抑えた落ち着いた仕上がりになります。
これにより、視覚的に穏やかな印象を与えます。

5.多様な表現が可能

アクリルメディウムの使用により、透明感のある表現から厚塗りまで幅広い技法が可能です。
これにより、アーティストの創造性を最大限に引き出すことができます。

 6.経済的

 一般的に長持ちし、少量でも高いカバー力を持つため、コストパフォーマンスに優れています。

アクリルガッシュの短所

1. 乾燥が早すぎる

速乾性がメリットである一方、乾燥が早すぎると混色やグラデーションが難しくなることがあります。

2. 固着性が強い

乾燥すると完全に固まり、修正が難しくなります。
再度水を加えても再活性化しないため、失敗を修正するのが困難です。

3. マット仕上げの難点

マットな質感は魅力的ですが、光沢のある仕上がりを好むアーティストには向かない場合があります。

短所の克服方法

1. 乾燥の速さをコントロールする

乾燥時間を調整するために、リターダーやを使用するとよいでしょう。
また、湿度を高めるために作業場所に加湿器を置くことも有効です。

ターナー色彩 メディウム リターダー 

2. 修正の方法を工夫する

乾燥後の修正を容易にするために、レイヤリング技法を活用し、失敗した部分を上から塗り重ねることができます。

3. 仕上がりのバリエーションを増やす

光沢のある仕上がりを求める場合、グロスバーニッシュやハイグロスバーニッシュなどを使用して最後にコーティングすることで、光沢感を加えることができます。
また、異なる質感の絵の具と併用することも一つの方法です。

結論

アクリルガッシュは、その鮮やかな発色、速乾性、耐水性など多くの長所を持ち、幅広い表現が可能な非常に魅力的な絵の具です。
しかし、乾燥の速さや修正の難しさなどの短所も存在します。
これらの短所は適切な対策を講じることで克服することができ、アーティストの創造性をさらに引き出すことができます。
ABOUT US
満園 和久
3歳の頃、今で言う絵画教室に通った。その絵の先生はお寺の住職さんであった。隣町のお寺で友達の3歳児とクレヨン画を学んだ。 それ以降も絵を描き続け、本格的に絵画を始めたのは30歳の頃。独学で油彩画を始め、その後すぐに絵画教室に通うことになる。10年ほどの間、絵画教室で学び、団体展などに出展する。 その後、KFSアートスクールで学び油彩画からアクリル画に転向しグループ展や公募展等に出品し続け現在に至る。 ここ20年程は、「太陽」「富士山」「天使」をテーマにして絵画を制作。 画歴は油彩を始めてから数えると35年になる。(2024年現在) 愛知県生まれ 愛知県在住 満園 和久 (Mitsuzono Kazuhisa)