アクリルジェッソについて

ジェッソ (gesso) は、絵画の下地材として広く使用される白いアクリルベースの塗料です
キャンバス、木板、紙、その他の表面に使用することで、発色が良くなり、絵具の支持体への吸収を抑え、描きやすい描画面を提供します。
以下に、ジェッソの使用方法と応用について説明します。

ジェッソの使用方法

必要な道具

  • ジェッソ
  • 平筆またはローラー
  • パレットナイフ(オプション)
  • サンドペーパー(中目から細目)
  • キャンバス、木板、紙など支持体

手順

1. 準備

使用する表面が清潔で乾燥していることを確認します。
特に木板の場合は、表面のホコリや汚れを取り除いておきましょう。

2. ジェッソの混合

ジェッソの容器をよく振って中身を均一にします。
原液のまま、または、20%ほどの水で薄めて塗ります。薄めすぎないように注意してください。

3. 塗布

筆を使う場合

平筆でジェッソを表面に均一に塗布します。
平滑な画面を作りたい場合は、筆跡が目立たないように、同じ方向に塗り、乾燥後サンドペーパーをかけ繰り返し何層か塗ります。

ローラーを使う場合

ローラーを使うとより均一に素早く塗布できます。特に大きな面積をカバーする場合に適しています。

4. 乾燥

第一層を塗布したら、完全に乾燥させます。
乾燥時間は通常1〜2時間ですが、湿度や温度により調整してください。

5. サンディング

第一層が乾燥したら、サンドペーパーで表面を軽く磨いて滑らかにします。
これにより、次の層がより良く密着します。

6. 追加層の塗布

より滑らかな下地が必要な場合は、2〜3層のジェッソを重ね塗りします。
それぞれの層を塗る前に、前の層が完全に乾燥していることを確認し、サンディングを行います。

ジェッソの応用

カスタム下地

ジェッソにアクリル絵具や顔料を混ぜてカスタムカラーの下地を作ることができます。
これにより、特定のトーンやムードを持つ下地を作成できます。

テクスチャの追加

パレットナイフやスパチュラをまたはローラーなどを使って、ジェッソにテクスチャを付けることができます。
またシェルマチエールやサンドマチエールなどを混ぜて表面のざらつきを出すこともできます。
私の絵画はほとんどこの方法で行っています。
乾燥後にペイントすることで、独特の絵肌なります。

その他の表面への適用

キャンバスや木板だけでなく、紙、木、キャンバス、石、コンクリートなどの吸水性のある基底材に適し、表面にジェッソを塗布することで、これらの素材をアクリルや油絵具に適した描画面に変えることができます。(※ガラスや金属などは専用の下地材があります)
ジェッソは一般的に安全に使用できる素材ですが、使用時にはいくつかの健康へのリスクが考えられます。
以下に、ジェッソが体に与える可能性のある害とその対策について説明します。

ジェッソの体への害

1. 吸入

ジェッソを塗布する際に微細な粒子が空気中に浮遊し、それを吸い込むことで呼吸器に影響を与える可能性があります。
特に大きな面積を扱う場合やスプレーで塗布する場合にリスクが高まります。

2. 皮膚への接触

ジェッソが皮膚に触れると、アレルギー反応や皮膚の乾燥、かぶれを引き起こすことがあります。

3. 目への飛沫

塗布中にジェッソが目に入ると、刺激や炎症を引き起こすことがあります。

健康被害の対策

1. 換気の確保

ジェッソを使用する際は、必ず換気の良い場所で作業しましょう。
窓を開ける、換気扇を使用するなどして、新鮮な空気の流れを確保することが重要です。

2. 防護具の使用

マスク

ジェッソの微粒子を吸い込まないように、防塵マスクを着用することをおすすめします。 –

手袋

皮膚への直接接触を避けるために、使い捨てのビニールやラテックスの手袋を着用しましょう。

ゴーグル

目への飛沫を防ぐために、保護ゴーグルを使用すると安全です。

3. 適切な取り扱い

ジェッソを使用する際は、ラベルに記載されている使用方法や安全指示を守りましょう。
作業後は、石鹸と水で手や皮膚をよく洗い、ジェッソの残留物を完全に取り除きます。

4. 保管場所

子供やペットが触れない場所にジェッソを保管してください。誤って飲み込んだり触れたりしないように注意が必要です。

緊急時の対応

吸入した場合

新鮮な空気の場所に移動し、必要に応じて医師の診断を受けてください。

皮膚に触れた場合

すぐに石鹸と水で洗い流し、かぶれや発疹が現れた場合は医師に相談してください。

目に入った場合

速やかに大量の水で洗い流し、刺激が続く場合は眼科医の診断を受けてください。

飲み込んだ場合

直ちに医師に相談し、指示を仰いでください。

ジェッソは正しく取り扱えば安全に使用できる素材ですが、上記の対策を守ることで、健康リスクを最小限に抑えることができます。

安全に配慮しながら、創作活動を楽しんでください。

ジェッソは、アーティストにとって重要な素材の一つであり、適切に使用することで作品の完成度を高めることができます。
これらの手順とヒントを参考にして、ぜひ自分の作品作りに役立ててください。
ABOUT US
満園 和久
3歳の頃、今で言う絵画教室に通った。その絵の先生はお寺の住職さんであった。隣町のお寺で友達の3歳児とクレヨン画を学んだ。 それ以降も絵を描き続け、本格的に絵画を始めたのは30歳の頃。独学で油彩画を始め、その後すぐに絵画教室に通うことになる。10年ほどの間、絵画教室で学び、団体展などに出展する。 その後、KFSアートスクールで学び油彩画からアクリル画に転向しグループ展や公募展等に出品し続け現在に至る。 ここ20年程は、「太陽」「富士山」「天使」をテーマにして絵画を制作。 画歴は油彩を始めてから数えると35年になる。(2024年現在) 愛知県生まれ 愛知県在住 満園 和久 (Mitsuzono Kazuhisa)