初心者必見!アクリルガッシュの使い方と注意点

アクリルガッシュとは?

アクリルガッシュの基本情報

アクリルガッシュは、アクリル樹脂を主成分とした水性絵具です。

他の絵具との違い

一般的なアクリル絵具との一番の違いは、不透明で、あざやかな発色であり、デリケートなベルベットのようなツヤ消しの仕上がりになるところです。
乾燥が速く、耐水性があるので、乾くと水に溶けなくなります。
これにより、重ね塗りがしやすく、鮮やかな色合いを保つことができます。
他の絵具と比べても発色が良く、幅広い表現が可能です。

アクリルガッシュの魅力

またアクリルガッシュの大きな魅力は、その多用途性です。
キャンバスや紙だけでなく、木やプラスチック、金属など、さまざまな素材に描くことができます。
また、アクリルガッシュは乾燥後に絵具層がしっかりと固定されるため、作品の耐久性も高まります。

アクリルガッシュの基本的な使い方

必要な道具

アクリルガッシュを使うには、以下の道具が必要です
  • アクリルガッシュ絵具
  • 筆(ナイロン筆がお勧め)
  • パレット(ペーパーパレットがお勧め)
  • 水入れ
  • キャンバスまたは紙

絵具の準備

まず、絵具をパレットに出し、水を少量加えて混ぜます。
アクリルガッシュはそのままでも描けますが、適量の水(10%程度)を加えると描きやすくなります。

基本的な塗り方

パレットでの混色はペインティングナイフやパレットナイフなどを使って好みの色を作り、キャンバスに描きます。
乾燥が速いため、短時間で次の色を重ねることもできます。

アクリルガッシュの応用テクニック

グラデーションの作り方

アクリルガッシュで美しいグラデーションを作るには、異なる色を滑らかに混ぜることが大切です。
最初に一色を塗り、その隣にもう一色を塗ります。
明るい方の絵の具から画面上で絵の具が乾く前に境界を筆でなじませることで、自然なグラデーションが生まれます。
乾燥してきたらスプレーで水を吹きかけて乾燥を防ぎます。

レイヤーの重ね方

レイヤーを重ねる際には、一度乾かしてから次の色を塗るのが基本です。
乾燥後耐水性のため色が混ざり合うことなく、また不透明絵の具であるため下の絵の具が透けにくく、鮮やかな発色を得られます。

特殊効果の出し方

特殊効果を出すためには、スポンジや布などを使って絵具をぼかすテクニックも有効です。

アクリルガッシュを使う際の注意点

よくある失敗とその対策

アクリルガッシュを使う際には、いくつかの注意点があります。
よくある失敗として、絵具が乾きすぎてしまうことがあります。
これを防ぐために、使わない間はパレットを湿らせておくことが大切です。
また、乾燥後の絵具は水に溶けないため、すぐに筆を洗うことも重要です。

絵具の保存方法

絵具の保存方法もポイントです。
使用後はしっかりと蓋を閉め、直射日光を避けて保存します。
長期間使用しない場合は、冷暗所に保管することで、絵具の劣化を防ぐことができます。
さらに、使い終わった道具はしっかりと洗い、乾燥させてから保管することで、次回も気持ちよく使うことができます。

道具のメンテナンス

アクリルガッシュは絵の具のバインダー(顔料を紙や画布などの基底材に定着させる糊の役割を果たす材料)の複合量が少ないため、あまり厚塗りのしすぎははひび割れの危険性がある為おすすめしません。

アクリルガッシュで厚塗りをしたい時はモデリングペースト(アクリル樹脂や大理石の粉末から作られたパテ状の下地剤で、硬い支持体に立体感やテクスチャーを加えることができる)を用いることをおすすめします。

アクリルガッシュで作品を仕上げるコツ

仕上げのポイント

アクリルガッシュで作品を仕上げる際には、いくつかのポイントがあります。
アクリルガッシュはそのままで乾燥するとマットでとてもきれいな発色がありますが、作画にジェルメディウムなど透明なメディウムを使うと絵具のツヤや透明感を調整することもできます。

作品の保護方法

完成した作品を保護するためには、バーニッシュや保護ニスを使うことが効果的です。これにより、作品の艶の調整や、画面の保護をすることができます。
さらに、作品を額装する際には、ガラスやアクリル板を使って作品を保護すると良いでしょう。

発展的な技法

発展的な技法として、コラージュやミクストメディアを取り入れることで、独自の表現を追求することもできます。
さまざまな素材や技法を組み合わせることで、アクリルガッシュの可能性をさらに広げることができます。

まとめ

アクリルガッシュは、初心者でも簡単に使える絵具です。
その多用途性と発色の良さが大きな魅力です。基本的な使い方をマスターすれば、重ね塗りやグラデーション、特殊効果など、さまざまな表現が可能になります。
使う際の注意点を守り、道具を正しく管理することで、作品のクオリティを高めることができます。
さらに、仕上げのコツを押さえることで、美しい作品を長く楽しむことができるでしょう。
アクリルガッシュは、絵を描く楽しさを広げてくれる素晴らしいツールです。ぜひ、基本から応用までのテクニックを身につけて、自分だけの作品を作り上げてください。
ABOUT US
満園 和久
3歳の頃、今で言う絵画教室に通った。その絵の先生はお寺の住職さんであった。隣町のお寺で友達の3歳児とクレヨン画を学んだ。 それ以降も絵を描き続け、本格的に絵画を始めたのは30歳の頃。独学で油彩画を始め、その後すぐに絵画教室に通うことになる。10年ほどの間、絵画教室で学び、団体展などに出展する。 その後、KFSアートスクールで学び油彩画からアクリル画に転向しグループ展や公募展等に出品し続け現在に至る。 ここ20年程は、「太陽」「富士山」「天使」をテーマにして絵画を制作。 画歴は油彩を始めてから数えると35年になる。(2024年現在) 愛知県生まれ 愛知県在住 満園 和久 (Mitsuzono Kazuhisa)