はじめに
アクリルガッシュは、アクリル絵具とガッシュの特性を併せ持つ絵具で、多彩な表現が可能です。
この記事では、アクリルガッシュの基本的な技法とテクニックについて詳しく解説します。
初心者から上級者まで、幅広い層に役立つ内容を目指します。
アクリルガッシュの特徴
アクリルガッシュは、水溶性でありながら乾燥後は耐水性を持つという特徴があります。
これは、アクリル樹脂を基材とするためです。
また、マットな仕上がりと高い隠蔽力が特徴で、重ね塗りや多層描きに適しています。
必要な道具の詳細解説
アクリルガッシュ絵具
アクリルガッシュ絵具は、メーカーのセットで、12色セット、18色セット、24色セットなどでそろえると良いでしょう。
絵具の品質にも注意し、ターナー、リキテックス、ホルベイン、などのメーカーがお勧めです。
筆
筆は、さまざまなサイズと形状を用意することで、多様な表現が可能になります
。細かいディテールを描くための細筆、広い面を塗るための太筆、そして平筆や丸筆など、用途に応じて使い分けると良いです。
色々な材質の筆がありますが、ナイロン製の筆は耐久性があり扱いやすいのでおすすめです。
アクリル絵具はかなり頻回に洗わないと筆の毛の元の部分が固まってしまい穂先が広がってくるので、水彩絵具等に比べると筆の傷みは早くなります。
パレット
パレットは、絵具を混ぜるために必須です。プ
ラスチック製やガラス製のものがありますが、アクリル絵具は乾燥後固まってしまうので絵の具が塗れているうちにクリーニングしなければならず使いやすさで選べば、クリーニングの必要がないペーパーパレットがおすすめです。
水入れ
水入れは、筆を洗うために必須です。
大きめの容器を用意し、筆をしっかりと洗えるようにしましょう。また、絵具の濃度を調整するために水を追加する際にも使いますので、清潔な水を用意することが重要です。
キャンバスや紙(支持体)
支持体にはさまざまな種類があります。
キャンバスは耐久性があり、長期間保存が可能です。紙は手軽で、スケッチや習作に向いています。
アクリルガッシュは多用途なので、木板や布、プラスチックなども試してみると良いでしょう。
各支持体の特性に応じた下地処理を行うことで、絵具の乗りが良くなります。
基本的な技法
- グラデーション:グラデーションは、色を滑らかに移行させる技法です。アクリルガッシュの速乾性を利用し、濡れているうちに色をブレンドします。
- レイヤリング:レイヤリングは、色を重ねて深みを出す技法です。アクリルガッシュの隠蔽力を活かし、下地の色を完全に覆うことができます。
- ドライブラシ:ドライブラシは、筆に少量の絵具を取り、乾いた状態で軽くこするようにして描く技法です。テクスチャや細かいディテールを表現するのに適しています。
- スパッタリング:スパッタリングは、筆に絵具をつけて指で弾くことで、飛び散らせた絵具を支持体に付ける技法です。自然な雰囲気や星空などを表現できます。
- ウォッシュ:ウォッシュは、薄く水で溶いた絵具を広い範囲に均一に塗る技法です。背景や広い面積の色付けに適しています。
アクリルガッシュの扱い方
- 乾燥時間:アクリルガッシュは速乾性があるため、速やかに作業を進める必要があります。乾燥時間を考慮して計画的に作業しましょう。
- 混色:アクリルガッシュは混色しやすく、自由な色作りが楽しめます。パレット上での色の調整をこまめに行うことで、理想的な色合いを得られます。
- 筆のメンテナンス:使用後はすぐに筆を洗い、絵具の乾燥を防ぐことが重要です。乾燥した絵具は筆にダメージを与えるため、注意が必要です。
アクリルガッシュの応用テクニック
- スクラッチング:描いた絵具の表面を削って下地の色を出す技法です。独特のテクスチャや線を加えることができます。
- スタンピング:スポンジや布を使って絵具を支持体に押し付けることで、模様やテクスチャを作り出す技法です。
- インパスト:厚塗りのアクリルガッシュは乾燥後にひび割れることがあるため、インパスト技法を使用する際には注意が必要です。厚塗りを避け、少しずつ層を重ねるようにします。また、専用のメディウムを使用して絵具の厚みを調整することで、ひび割れを防ぎながら立体感を表現できます。
作品の仕上げと保護
アクリルガッシュ作品を長く保つためには、適切な仕上げと保護が必要です。
仕上げにトップコートを使用し、作品を紫外線や湿気から守ることで、色褪せや劣化を防ぎます。
まとめ
アクリルガッシュは、多彩な技法と表現が可能な絵具です。
基本的な技法をマスターし、自分なりのアプローチで作品を作り上げることで、独自の表現が広がります。
それではアクリルガッシュを使った創作を楽しんでください。