季節ごとにフレームカラーを変える“飾り替え”テクニック

作品の印象を引き立てる、四季を楽しむアートの工夫

アートを飾るとき、多くの方が作品そのものに注目しますが、「額縁(フレーム)」の色が持つ影響は想像以上に大きなものです。とくに、季節の変化に合わせてフレームのカラーを変える“飾り替え”を行えば、同じ作品でもまったく違った表情を見せることができます。

本記事では、季節ごとのフレームカラーの選び方や、飾り替えの実践テクニック、インテリアとの調和の取り方など、アートライフを豊かにする工夫を紹介します。

なぜ“フレームカラー”で季節感を演出するのか?

額縁のカラーは、作品の印象だけでなく、部屋全体の雰囲気をも左右する要素です。特に日本の四季は明確で、それぞれに色のイメージがあるため、その季節らしさを取り入れることで空間に調和と変化を生み出せます。

フレームを変えるメリット

  • 季節のインテリアと自然に調和
  • 同じ作品を新鮮な印象で見せられる
  • 季節のイベントや行事にもマッチ
  • 色彩心理効果による癒しや活力UP

例えば、同じ花の絵であっても、春はパステル調の白いフレーム、冬は深いグレーやシルバーのフレームで印象がガラリと変わります。

【春】やわらかく明るい色で軽やかに

おすすめカラー:

  • パステルピンク
  • アイボリーホワイト
  • ライトグリーン
  • 桜色/ミント系

春は新生活・出会い・再生のイメージ。フレームには軽やかで明るい色合いを選ぶと、作品も空間も柔らかい印象に。特に水彩画や植物画、風景画と好相性です。

飾り方のコツ:

  • 淡い色の壁紙やナチュラルな木製家具と組み合わせる
  • 生花(チューリップやラナンキュラスなど)と並べて飾る

【夏】涼しげな色で爽快感を演出

おすすめカラー:

  • 白木フレーム
  • アイスブルー
  • ガラスやアクリルの透明素材
  • シルバー

夏は涼感や開放感を重視。白やブルー系のフレームは、視覚的に温度を下げる効果があり、暑い季節に最適です。海や空をテーマにしたアートと好相性。

飾り方のコツ:

  • レースカーテンや白い壁との組み合わせ
  • 貝殻やビーチ風雑貨と並べると夏の演出に◎

【秋】深みのある色で落ち着きを

おすすめカラー:

  • ブラウン(チョコレート系)
  • マスタードイエロー
  • ボルドー
  • ダークオレンジ/テラコッタ

秋は実りの季節。落ち着いたアースカラーのフレームが最適です。読書・芸術の秋とも呼ばれるこの季節には、静けさと温もりを感じさせる色選びが鍵となります。

飾り方のコツ:

  • 木目の家具や間接照明と合わせて温かみを演出
  • 紅葉をイメージした装飾や小物と一緒に飾る

【冬】モノトーンや光沢で洗練された印象に

おすすめカラー:

  • ブラック
  • シルバー/ゴールド
  • グレー
  • ネイビー

冬は空気が澄み、洗練された印象の色が映える時期。光沢のあるメタリックフレームや、重厚感のある黒フレームで、作品を引き締めると空間が引き立ちます。クリスマスや年末年始の特別な雰囲気にも合います。

飾り方のコツ:

  • モノトーンインテリアと合わせてクールに
  • 照明を活用してフレームの質感を際立たせる

フレームの“入れ替え”を手軽に行うコツ

同サイズのフレームを複数用意

→ 入れ替えが簡単になり、アート本体はそのまま活かせます。

「中身」を変えずに「外枠」だけ変える

→ 透明アクリル+マット+バックボードが固定されていれば、フレーム交換だけで済みます。

ストックを季節ごとに収納

→ 季節外のフレームは緩衝材と一緒に箱で保管し、長持ちさせましょう。

インテリアとの調和も大切に

フレームカラーを変える際、アート作品だけでなく、インテリアとの「色のつながり」も意識すると、より洗練された空間になります。

チェックポイント:

  • 壁の色とのコントラストは強すぎないか
  • 家具やカーテンとの色調がちぐはぐになっていないか
  • 季節の雑貨(クッション、ランナー、観葉植物など)との相性は?

【実践例】「富士山と太陽の絵」を季節で変える

ユーザーが好まれる「富士山」や「太陽」モチーフのアートも、フレームカラー次第で印象が大きく変わります。

季節フレーム色印象・演出効果
桜色・白木明るく爽やか、希望を感じさせる
水色・ガラス涼やか、空や海との一体感
ボルドー・焦げ茶温もりと落ち着きを演出
ネイビー・シルバー凛とした神聖さと静けさ

季節で変える楽しみ方|プチイベント化しよう

季節の変わり目に合わせて「フレーム交換日」を設け、ちょっとしたイベントとして家族や来客と一緒に楽しむのもおすすめです。以下のような演出が可能です:

  • 「春の模様替え週間」など名前をつけてみる
  • 季節のアートカードとセットで飾る
  • SNSで“飾り替えビフォーアフター”を投稿

フレーム選びに迷ったときのヒント

  • 迷ったら「白・黒・木目調」は万能
  • メタリック系は“光”を含む作品と好相性
  • 作品のメインカラーと反対色のフレームでメリハリを

まとめ|四季の彩りを、額装で楽しむ

額縁は、アート作品にとって“着せ替え可能な衣装”のような存在。季節ごとのフレームカラーを意識的に選ぶことで、同じアートでも何度も新鮮な魅力を引き出せます。

特に日本の四季は色彩に富んでおり、それをアートの飾り方に反映させることで、日常の空間に豊かな季節感を取り込むことができます。

ぜひ、季節の“飾り替え”を取り入れて、お気に入りの作品をより魅力的に演出してみてください。

ABOUT US
満園 和久
3歳の頃、今で言う絵画教室に通った。その絵の先生はお寺の住職さんであった。隣町のお寺で友達の3歳児とクレヨン画を学んだ。 それ以降も絵を描き続け、本格的に絵画を始めたのは30歳の頃。独学で油彩画を始め、その後すぐに絵画教室に通うことになる。10年ほどの間、絵画教室で学び、団体展などに出展する。 その後、KFSアートスクールで学び油彩画からアクリル画に転向しグループ展や公募展等に出品し続け現在に至る。 ここ20年程は、「太陽」「富士山」「天使」をテーマにして絵画を制作。 画歴は油彩を始めてから数えると35年になる。(2024年現在) 愛知県生まれ 愛知県在住 満園 和久 (Mitsuzono Kazuhisa)