画材の収納術:使いやすく・見やすく整理する

はじめに:創作の質を高める「収納力」

画材を自由に使える環境は、アーティストにとって創造力の源です。

しかし、絵筆や絵具、紙やツールが散乱していると、作業の効率も気分も下がってしまいます。

本記事では、使いやすく・見やすく・インスピレーションが湧く収納術を解説し、スッキリとした制作スペースを作るためのヒントをご紹介します。

1. 収納の基本方針:3つの「見える化」

画材収納でまず意識したいのは「見える・手に取れる・戻せる」環境を作ることです。以下の3つの視点を軸に整理しましょう。

1-1. 【視認性】どこに何があるかすぐわかる

透明ケースやラベル貼り、色別配置で、一目で必要な画材を見つけられるようにします。

1-2. 【動線】使う順番に近い場所へ

よく使う筆・絵具はデスクの近くに、ストックや替えパーツは引き出し奥へ。使う頻度で収納場所を分けるのがコツです。

1-3. 【戻しやすさ】収納が面倒だと散らかる

片手でポンと戻せる、仕切りが明確など「元に戻しやすい構造」も大切です。

2. 画材別:おすすめ収納術

2-1. 【筆】立てる・寝かせるの使い分け

  • 使用中の筆:筆立て or 磁石付きトレイ
    • 立てて収納することで毛先が傷みにくく、乾燥も早い。
  • 洗浄・乾燥中の筆:吊り下げ乾燥ラック
    • 毛先が下向きに乾くように設計されたラックが便利。
  • 保管用の筆:布巻き収納 or 引き出しに横置き
    • 高級筆は「毛先が潰れない平置き」が理想です。

2-2. 【絵具】種類別にまとめて保管

  • アクリル絵具:プラ引き出し or カゴで縦収納
    • 色別に並べると、調色も時短に。
  • チューブ型:100均の仕切りトレイ+引き出し
    • 横並び収納で見つけやすく、取り出しやすい。
  • ガッシュ・水彩:スタッキングできるタッパー
    • メーカー別にまとめると分類がスムーズ。

2-3. 【紙・スケッチブック類】

  • A4以下:書類ケース・クリアホルダー
    • 作品別に仕分け。色付きフォルダーでジャンル分けも可能。
  • 大判紙:ポスターケース or 専用ファイルボックス
    • 丸めず平らに収納したい場合は、A2対応ラックが理想。

2-4. 【小物・ツール】

  • パレットナイフ・スポンジ・定規など:引き出し+仕切りボックス
  • 消しゴム・練りゴム・シャープ芯:文具トレーで分類
  • クリップやマスキングテープ:回転式ツールタワー

3. おすすめ収納アイテム7選(国内購入可能)

アイテム名特徴購入先(参考)
無印良品「PPケース引き出し」重ねて使える、透明で見やすい無印良品公式・LOFT
IKEA「ロースコグワゴン」移動できる収納ワゴンIKEA・楽天市場
山崎実業「タワーシリーズ」縦型・省スペース収納Amazon・ヨドバシ.com
セリア・キャンドゥ「仕切り付きBOX」絵具や文房具の分類に最適各100円ショップ
ドキュメントスタンドスケッチブック整理に便利文具店・Amazon
筆巻きホルダー(筆巻き・布タイプ)持ち運びと保管を両立世界堂・画材店
マグネットボード+缶ケース壁面収納でデッドスペース活用ホームセンター・無印

4. 「空間別」に見る整理アイデア

4-1. 【デスクまわり】

  • スタンド式ペン立てや回転ラックを配置
  • 無印やIKEAの引き出しを机下に設置

4-2. 【壁面】

  • ウォールポケットに小物を吊るす
  • ワイヤーネット+S字フックで立体収納

4-3. 【棚・収納ラック】

  • カラーボックス内にトレイを挟んで多段収納
  • プラケースを「ラベル付き」で並べて分類

5. 定期的な「画材断捨離」のすすめ

画材は気づかぬうちに増えていきます。以下のような「定期チェック日」を設けましょう。

  • 使用頻度の低いもの→一時保管or譲渡
  • 乾燥・劣化した絵具→廃棄
  • 同じ色・道具が重複→1点に絞る

おすすめは「年に2回の見直しルール」(春と秋など)を作ることです。

6. 見せる収納 vs 隠す収納のバランス

✔ 見せる収納のメリット

  • インスピレーションが湧きやすい
  • カラフルな画材が部屋を明るくする
  • 使う頻度が高い画材は出しておく方が便利

✔ 隠す収納のメリット

  • ホコリや日光による劣化防止
  • ごちゃごちゃ感が減り、心が整う
  • 貴重な画材や作品の保護

理想は「使うものは見せる、保管用は隠す」のハイブリッド型収納です。

7. 収納術を活かした創作ルーティン

収納環境が整うと、以下のような好循環が生まれます。

  • 毎回のセッティングがスムーズに
  • 道具選びに迷わず、集中力が途切れない
  • 「今日はこれを描いてみよう」と直感で動ける

収納=創作の下支え。快適な空間が、良い作品を引き出す鍵になります。

まとめ:画材と向き合う環境を育てよう

画材の収納術は、単なる「片づけ」ではなく、アートと日常を結ぶ大切なステップです。


使いやすく、見やすく、そして自分らしい収納を工夫することで、創作の喜びがより深まるでしょう。

収納された画材は、あなたの手を待つパートナー。

整った環境は、集中力とひらめきを最大限に引き出してくれます。

一つひとつの道具に居場所をつくり、快適で心地よいアトリエ空間を育てていきましょう。

定期的な見直しと工夫を重ねながら、自分だけの「創作に寄り添う収納スタイル」をぜひ見つけてください。

ABOUT US
満園 和久
3歳の頃、今で言う絵画教室に通った。その絵の先生はお寺の住職さんであった。隣町のお寺で友達の3歳児とクレヨン画を学んだ。 それ以降も絵を描き続け、本格的に絵画を始めたのは30歳の頃。独学で油彩画を始め、その後すぐに絵画教室に通うことになる。10年ほどの間、絵画教室で学び、団体展などに出展する。 その後、KFSアートスクールで学び油彩画からアクリル画に転向しグループ展や公募展等に出品し続け現在に至る。 ここ20年程は、「太陽」「富士山」「天使」をテーマにして絵画を制作。 画歴は油彩を始めてから数えると35年になる。(2024年現在) 愛知県生まれ 愛知県在住 満園 和久 (Mitsuzono Kazuhisa)