アート作品の保管方法|劣化を防ぐポイント

アート作品は、適切に保管しないと劣化してしまう可能性があります。せっかくの大切な作品も、環境が悪いと色あせたり、紙が傷んだりしてしまうことも。特に、絵画や版画、写真、彫刻などのアート作品は、湿度や温度、光の影響を受けやすいため、慎重に管理する必要があります。

本記事では、アート作品を長期間美しく保つための保管方法や、劣化を防ぐポイントについて解説します。

アート作品の劣化の原因とは?

アート作品が劣化する主な原因には、以下のようなものがあります。

湿度の変化

湿度が高すぎると、紙やキャンバスが湿気を吸収し、カビが発生することがあります。逆に湿度が低すぎると、絵の具や紙が乾燥して割れやすくなります。

温度の変化

急激な温度変化は、素材の収縮・膨張を引き起こし、ひび割れの原因になります。特に、油彩画やアクリル画などは温度の影響を受けやすいです。

光(紫外線)

直射日光や蛍光灯の光に含まれる紫外線は、絵の具や紙の色褪せを早めます。特に水彩画や写真は、紫外線の影響を受けやすいので注意が必要です。

汚れやホコリ

空気中のホコリや汚れが付着すると、作品が変色したり、表面が傷ついたりする可能性があります。

酸性紙や劣化する額縁

安価な額縁やマットには酸性紙が使われていることがあり、作品が酸化して黄ばむ原因となります。

劣化を防ぐための保管方法

適切な湿度と温度を保つ

アート作品の保管には、温度20℃前後、湿度40~50% が理想的とされています。

湿度管理のポイント

  • 除湿機や加湿器を活用する
  • 作品を壁にかける際は、外壁側を避ける(結露による湿気を防ぐため)
  • 収納時には乾燥剤を入れる

温度管理のポイント

  • 直射日光が当たらない場所に保管する
  • エアコンの風が直接当たらないようにする

紫外線対策をする

紫外線はアート作品の大敵です。次の対策を実践しましょう。

  • 直射日光の当たらない場所に飾る
  • UVカットガラスやアクリル板を使用する
  • 紫外線を防ぐカーテンやフィルムを活用する

汚れやホコリを防ぐ

  • 額装して保管することで、ホコリや汚れから守る
  • 作品を触る際は手袋を着用する(特に紙や写真作品)
  • 定期的に柔らかい筆や布で表面を優しく拭く

適切な収納方法を選ぶ

紙の作品(版画・水彩画・ポスターなど)

  • アシッドフリーマット(酸を含まない台紙)を使用する
  • 作品と作品の間にトレーシングペーパーや中性紙を挟む
  • ファイルケースや引き出しに収納する

キャンバス作品(油彩画・アクリル画)

  • 壁に掛ける際は、壁と少し隙間を空ける(湿気対策)
  • 収納する場合は、水平に積み重ねず、縦に立てて保管する

写真作品

  • 中性のアルバムやフォトフレームを使用する
  • 直射日光や蛍光灯の光を避ける

立体作品(彫刻・陶芸など)

  • 直射日光が当たらない場所に置く
  • 収納時は緩衝材(発泡スチロールや布)で包む

額装の重要性と選び方

額装はアート作品を保護する上で非常に重要です。適切な額装を選ぶことで、湿気や紫外線、ホコリから守ることができます。

額縁の選び方

  • UVカットガラスまたはアクリル板 を使用する
  • アシッドフリーマット を選ぶ(酸性の紙は作品を劣化させる)
  • 作品のサイズに合った額を選ぶ(ゆとりを持たせる)

額装時の注意点

  • 作品が直接ガラスやアクリルに触れないようにする(結露によるダメージを防ぐ)
  • マットを使用することで空間を確保する

長期間保管する場合のポイント

アート作品を長期間保管する場合、さらに慎重な管理が求められます。

保管場所の選び方

  • 直射日光の当たらない、風通しの良い場所 を選ぶ
  • 押し入れや倉庫に保管する際は、防湿剤を活用する
  • 温度や湿度の変化が少ない場所 を選ぶ

4-2. 定期的なメンテナンス

  • 作品の状態を定期的にチェックする
  • カビや虫害が発生していないか確認する
  • 額縁や保護材を劣化していないかチェックする

まとめ|適切な保管でアート作品を長持ちさせよう!

アート作品の劣化を防ぐためには、温度・湿度管理、紫外線対策、適切な収納方法 が重要です。特に、紙の作品やキャンバス画は環境の影響を受けやすいため、慎重に保管しましょう。

大切な作品を長く楽しむために、適切な管理を心がけてください。

ABOUT US
満園 和久
3歳の頃、今で言う絵画教室に通った。その絵の先生はお寺の住職さんであった。隣町のお寺で友達の3歳児とクレヨン画を学んだ。 それ以降も絵を描き続け、本格的に絵画を始めたのは30歳の頃。独学で油彩画を始め、その後すぐに絵画教室に通うことになる。10年ほどの間、絵画教室で学び、団体展などに出展する。 その後、KFSアートスクールで学び油彩画からアクリル画に転向しグループ展や公募展等に出品し続け現在に至る。 ここ20年程は、「太陽」「富士山」「天使」をテーマにして絵画を制作。 画歴は油彩を始めてから数えると35年になる。(2024年現在) 愛知県生まれ 愛知県在住 満園 和久 (Mitsuzono Kazuhisa)