アクリルガッシュの使い方と描き方、塗り方を初心者に優しく解説

はじめに

アクリルガッシュは、アーティストや趣味の絵画愛好者にとって非常に人気のある絵の具です。

アクリル絵の具と似ていますが、いくつかの特徴が異なり、特にマットな仕上がりや不透明度が高いことが魅力です。

この記事では、初心者にもわかりやすく、アクリルガッシュの使い方、描き方、塗り方について詳しく解説します。

1. アクリルガッシュとは?

アクリルガッシュは、アクリル樹脂をベースにした絵の具で、水で薄めることができるため、扱いやすいのが特徴です。

また、乾燥後は耐水性となり、上から他の色を重ねてもにじみません。

アクリル絵の具と異なり、乾燥後もマットな仕上がりを保つため、質感が一定で統一感のある作品を作ることができます。

2. 必要な道具

アクリルガッシュを始めるために必要な道具を紹介します。

アクリルガッシュ絵の具

初心者向けには基本的な色が揃ったセットをお勧めします。

メーカーのセットで、12色セット、18色セット、24色セットなどでそろえると良いでしょう。

絵具の品質にも注意し、ターナーリキテックスホルベイン、などのメーカーがお勧めです。

平筆、丸筆、細筆など、さまざまなサイズと形状の筆を用意しましょう。

パレット

絵の具を混ぜるためのパレット。使い捨ての紙パレットやプラスチック製のものがお勧めです。

水入れ

筆を洗うための容器。2段階3段階で洗えるように分かれたものや、複数の容器をそろえるとよいでしょう。

支持体:キャンバス、木製パネル、紙

アクリルガッシュはほとんどの表面に使用できますが、専用のキャンバスや木製パネル、厚手の紙などが適しています。

3. アクリルガッシュの基本的な使い方

1. 色の準備

パレットに必要な色を少量ずつ出します。アクリルガッシュは乾燥が早いので、使う量を少しずつ出すのがポイントです。

2. 水で薄める

筆に少量の水を含ませて、絵の具を柔らかく(ウスターソース程の柔らかさ)します。

透明感を出したい場合は多めに水を加え、不透明にしたい場合は絵の具の量を増やします。

水の量によって色の濃さを調整することができますが、薄めすぎるとムラが出やすくなるので注意が必要です。

3. 塗り方

筆を使って支持体に塗ります。

筆の種類やサイズによって異なる効果を得ることができるため、いろいろ試してみましょう。

平筆を使って広い面を均一に塗ることもできますし、細筆を使って細かい部分や線を描くことも可能です。

4. 基本的な描き方

レイヤーを重ねる

アクリルガッシュは乾燥が早く、重ね塗りが簡単です。

まず、背景色を塗り、その上に細部を描き足していくと良いでしょう。

乾燥後も上から重ね塗りができるため、失敗しても修正が簡単です。

また、レイヤーを重ねることで、深みや立体感を出すことができます。

グラデーション

水で薄めたアクリルガッシュを使い、滑らかなグラデーションを作ります。

異なる色を隣接させ、その境界線を筆でぼかすことで、自然なグラデーションを作り出すことができます。

乾燥が早いため、一度に広い範囲をグラデーションにする場合は霧吹きで水をかけたり、手早く作業することが重要です。

ディテール

細かい部分を描く際には、細筆を使用します。乾燥後に上から描き足すことで、より繊細な表現が可能です。

5. アクリルガッシュの塗り方

均一な塗り

マットな仕上がりを活かして、均一な色を塗ることができます。

大きな面を塗る際には、平筆を使うと効率的です。平筆で均一に塗ることで、ムラのない美しい仕上がりになります。

テクスチャー

筆の使い方や絵の具の量を調整して、さまざまなテクスチャーを表現できます。

たとえば、乾いた筆で塗ることで、ザラザラした質感を出すことができます。スポンジや布を使ってスタンピングすることで、異なる質感を追加することも可能です。

ハイライトと影

絵に立体感を持たせるために、ハイライトと影を効果的に使用します。

ハイライトには明るい色、影には暗い色を使い、自然な陰影を描き出します。光の方向を意識して影をつけることで、よりリアルな表現が可能です。

6. 初心者へのアドバイス

練習を重ねる

最初は思い通りにいかないこともありますが、練習を重ねることで徐々に上達します。何度も練習し、自分のスタイルを見つけることが大切です。

色の実験

色の混ぜ方や重ね方を試してみましょう。

自分だけのオリジナルカラーを見つける楽しさもあります。色の相性や混色のパターンを理解することで、より幅広い表現が可能になります。

水の使い方

水の量を調整することで、透明感や不透明感をコントロールできます。

絵の具の乾燥が早いため、素早く作業することが求められますが、その分失敗してもやり直しが利きます。

また、水を使ったぼかしや濃淡の調整も試してみてください。

7. よくある質問(FAQ)

Q1: アクリルガッシュとアクリル絵の具の違いは何ですか?

A1: アクリルガッシュは乾燥後もマットな仕上がりで、不透明度が高いのが特徴です。

一方、アクリル絵の具は光沢があり、透明度が高い絵の具です。

Q2: アクリルガッシュを使う際の注意点はありますか?

A2: アクリルガッシュは乾燥が早いため、使用する量を少しずつ出すことが重要です。

そこで、乾燥後は耐水性があるため、一度乾いた部分には水を含ませてもにじまないという特性を活かしてください。

Q3: アクリルガッシュでの描き直しは可能ですか?

A3: はい、可能です。アクリルガッシュは乾燥後も上から重ね塗りができるため、描き直しがしやすいです。

まとめ

アクリルガッシュは、そのマットな仕上がりと高い不透明度が魅力の絵の具です。

初心者でも扱いやすく、さまざまな表現が可能です。

この記事で紹介した基本的な使い方や描き方を参考にして、自分だけの素敵な作品を作り上げてください。

練習を重ねることで、アクリルガッシュの魅力を存分に楽しむことができるでしょう。

ABOUT US
満園 和久
3歳の頃、今で言う絵画教室に通った。その絵の先生はお寺の住職さんであった。隣町のお寺で友達の3歳児とクレヨン画を学んだ。 それ以降も絵を描き続け、本格的に絵画を始めたのは30歳の頃。独学で油彩画を始め、その後すぐに絵画教室に通うことになる。10年ほどの間、絵画教室で学び、団体展などに出展する。 その後、KFSアートスクールで学び油彩画からアクリル画に転向しグループ展や公募展等に出品し続け現在に至る。 ここ20年程は、「太陽」「富士山」「天使」をテーマにして絵画を制作。 画歴は油彩を始めてから数えると35年になる。(2024年現在) 愛知県生まれ 愛知県在住 満園 和久 (Mitsuzono Kazuhisa)