パステルトーンやダスティカラーを作るテクニック

はじめに

アート作品において色の選択は作品の雰囲気を大きく左右する要素です。その中でパステルトーンやダスティカラーは、やわらかく優しい感じや落ち着いた印象を与えるため、多くのアーティストに愛されているカラーです。

本記事では、パステルトーンやダスティカラーを作るための具体的な技法や配色のコツを解説し、アクリル絵具や油彩、水彩などの異なる画材での表現方法を紹介します。

パステルトーンとダスティカラーの特徴

パステルトーンとは?

パステルトーンは、明るく淡い色彩が特徴で、優しく軽やかな雰囲気を持つカラーです。一般的に、白を混ぜることで色を明るくし、やわらかい印象にすることがポイントです。

パステルトーンは以下のようなシーンで使われます。

  • ポップで可愛らしいイラストやデザイン
  • 子ども向けのアート作品
  • 幻想的で夢のような風景画

ダスティカラーとは?

ダスティカラー(くすみカラー)は、少しグレーがかった落ち着いた色合いを指します。派手すぎず、シックで大人っぽい印象を持ちます。

ダスティカラーの作り方は、彩度を抑えた色や補色(色相環上で反対色になる色同士を指します)を混ぜることがポイントです。たとえば、

  • 鮮やかな色にグレーや補色を少し加える
  • 茶色や黒を少量混ぜる

などの方法で落ち着いた雰囲気の色を作ることができます。

2. パステルトーンを作る方法

基本の作り方

パステルトーンを作る際の基本的な考え方は、「白を混ぜて色を明るくする」ことです。

例えば:

  • 赤 + 白 → ピンク(パステルレッド)
  • 青 + 白 → ライトブルー(パステルブルー)
  • 黄 + 白 → クリームイエロー

アクリル絵具でのパステルトーン

アクリル絵具でパステルトーンを作る場合、次のようなテクニックを活用できます。

  • 白を多めに加える(ベースとなる色に徐々に白を加えて調整)
  • ジェルメディウムを混ぜる(透明感を出し、パステル調の柔らかい色合いを作れる)
  • 不透明な白を使う(チタニウムホワイトを使用するとより発色が良くなる)

水彩でのパステルトーン

水彩でパステルトーンを表現する場合は、水の量を増やすことで色を薄めることが重要です。

特に、以下のような方法が効果的です。

  • 色を塗る際に水でしっかり薄める
  • パレット上で白と混ぜる(ただし、透明水彩の場合は白を使わず、薄くのばして調整するのが一般的)

油彩でのパステルトーン

油絵でパステルトーンを作る場合は、ホワイトの油絵具(チタニウムホワイトやジンクホワイト)を使用するのが基本です。

また、グレーズ(薄く塗り重ねる技法)を使うと、ふんわりとした雰囲気を出すことができます。

ダスティカラーを作る方法

基本の作り方

ダスティカラーを作るポイントは、補色やグレーを少量加えて彩度を抑えることです。

例えば:

  • ピンク + グレー → ダスティピンク
  • ブルー + ベージュ → ダスティブルー
  • グリーン + グレー → ダスティグリーン

アクリル絵具でのダスティカラー

アクリル絵具でダスティカラーを作る際は、以下のような方法を使います。

  • 補色を少し加える

• 例:鮮やかな赤に緑を少し混ぜると、彩度が落ちた落ち着いた赤になる。

  • グレーや茶色を加える

• 例:青に少量のグレーを加えると、ダスティブルーができる。

  • マットメディウムを混ぜる

• 彩度を抑えつつ、少しマットな質感にできる。

水彩でのダスティカラー

水彩でダスティカラーを作る場合は、補色を少し混ぜるか、グレーを作って加えると良いでしょう。

  • 例えば、青にオレンジを少量混ぜると、彩度の低い落ち着いた青になる
  • グレーを作る方法として、「赤 + 青 + 黄色」を混ぜて調整するのも有効

油彩でのダスティカラー

油絵でダスティカラーを作る場合、補色の混色や茶系(アンバーやセピア)を加えるのが効果的です。

また、グレーズ技法で少しずつ色を重ねていくことで、より深みのあるくすんだ色合いを作ることができます。

パステルトーンとダスティカラーを組み合わせた表現

パステルトーンとダスティカラーを組み合わせることで、作品の色彩バランスがより豊かになります。

  • パステルトーンだけ → 明るくポップで可愛らしい雰囲気
  • ダスティカラーだけ → 落ち着いた大人っぽい雰囲気
  • 両方を組み合わせる → 柔らかさと深みを兼ね備えた作品に

例えば、背景にパステルトーンを使い、メインのモチーフにダスティカラーを使うと、優しいけれど深みのある表現が可能です。

まとめ

パステルトーンとダスティカラーは、それぞれ異なる魅力を持つ色合いですが、適切に使うことで作品の雰囲気を大きく変えることができます。

  • パステルトーン → 白を加えて明るくする
  • ダスティカラー → グレーや補色を少し加えて彩度を落とす
  • アクリル、水彩、油彩ごとの技法を理解する
  • 両者をバランスよく使うことで、表現の幅が広がる

このテクニックを活用して、ぜひオリジナルのアート作品に挑戦してみてください!

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ABOUT US
満園 和久
3歳の頃、今で言う絵画教室に通った。その絵の先生はお寺の住職さんであった。隣町のお寺で友達の3歳児とクレヨン画を学んだ。 それ以降も絵を描き続け、本格的に絵画を始めたのは30歳の頃。独学で油彩画を始め、その後すぐに絵画教室に通うことになる。10年ほどの間、絵画教室で学び、団体展などに出展する。 その後、KFSアートスクールで学び油彩画からアクリル画に転向しグループ展や公募展等に出品し続け現在に至る。 ここ20年程は、「太陽」「富士山」「天使」をテーマにして絵画を制作。 画歴は油彩を始めてから数えると35年になる。(2024年現在) 愛知県生まれ 愛知県在住 満園 和久 (Mitsuzono Kazuhisa)