アクリル画の作品を額装する際の注意点|適切な方法とポイントを解説

はじめに

アクリル画は、その発色の美しさや表現の自由度の高さから、多くのアーティストにれています。しかし、完成した作品をより美しく見せるためには、「額装」が重要な役割を果たします。額装は単なる装飾ではなく、作品を保護し、魅力を最大限に引き出すための重要な要素です。

本記事では、アクリル画を額装する際の注意点や適切な方法を詳しく解説します。作品を長く美しく保つために、ぜひ参考にしてください。

アクリル画を額装する目的とメリット

作品を保護する

アクリル画は、乾燥後は耐水性があるものの、ほこりや汚れ、紫外線の影響を受けやすいです。適切に額装することで、これらの外的要因から作品を守ることができます。

作品の見栄えを良くする

額縁のデザインやマット(額の中に入れる枠)を工夫することで、作品の印象をより引き立てることができます。ギャラリーや展示会での見栄えも向上し、鑑賞者により良い印象を与えることができます。

収納や輸送をしやすくする

額装を施すことで、作品の取り扱いがしやすくなり、傷つけるリスクを軽減できます。また、梱包や輸送の際にも安全に運ぶことが可能になります。

アクリル画の額装方法と注意点

ガラスやアクリル板の有無を決める

ガラスやアクリル板を使用する場合のメリット

  • 汚れやホコリから守る
  • 紫外線カット加工が施されたものを選べば退色を防げる
  • 湿気の影響を受けにくくなる

デメリット

  • 光の反射による視認性の低下
  • ガラスは重量があり、割れるリスクがある
  • 密閉しすぎると作品が湿気を帯びる可能性がある

おすすめの対策

  • 反射防止加工が施された「UVカットアクリル板」を使用する。
  • ガラスを使用する場合は、額縁との間に適度な空間を設ける。

作品の固定方法

額装時には、作品をしっかりと固定することが重要です。

主な固定方法

  • 裏打ち:作品の裏に厚紙やパネルを貼って補強する方法。
  • コーナー固定:四隅に固定具を使用し、直接作品に接着しない方法(傷を防ぐためにおすすめ)。
  • テープ固定:作品固定テープやメンディングテープを使用する。

マットの使用

マットを使用することで、以下の効果が得られます。

  • 作品とガラス・アクリル板の間に空間を作ることで湿気の影響を防ぐ
  • 額装全体のデザイン性を向上させ、作品を引き立てる
  • 作品のサイズに合わせた適切な余白を作ることで、バランスの良い額装に仕上げる

マットの色は、作品に合わせて選ぶことが大切です。シンプルな白や黒、または作品の色と調和する色を選ぶとよいでしょう。

額縁の選び方

額縁のデザインや素材も重要なポイントです。

  • 木製フレーム:温かみがあり、ナチュラルな雰囲気を演出。
  • 金属フレーム:スタイリッシュでモダンな印象を与える。
  • シンプルなデザイン:作品の魅力を引き立てるのに適している。

額縁の色やデザインは、作品の雰囲気に合わせて選ぶことが大切です。

額装時に避けるべき注意点

直射日光の当たる場所に飾らない

紫外線はアクリル絵具の色を褪色させる原因となります。長期間飾る場合は、直射日光の当たらない場所を選びましょう。

高温多湿の環境を避ける

湿気が多い場所では、カビや変色の原因になります。特に、ガラスやアクリル板で密閉する場合は、定期的に額縁を開けて換気することが重要です。

粘着性の強いテープを使用しない

一般的なセロハンテープや強力な両面テープは、作品を傷める可能性があります。アーカイバルテープや額装専用の固定具を使用しましょう。

まとめ

アクリル画を額装する際には、作品の保護と美観を両立させるために、いくつかのポイントを押さえることが重要です。

✅ ガラスやアクリル板を使用する場合は、UVカット加工されたものを選ぶ。
✅ 作品の固定方法に注意し、傷つけないようにする。
✅ マットを使用して、湿気の影響を軽減する。
✅ 作品に合った額縁を選び、バランスの取れた額装をする。
✅ 直射日光や高温多湿を避け、適切な環境で保管・展示する。

適切な額装を行うことで、アクリル画の魅力を最大限に引き出し、長く美しい状態を保つことができます。ぜひ、今回ご紹介したポイントを参考にして、作品をより魅力的に飾ってください。

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満園 和久
3歳の頃、今で言う絵画教室に通った。その絵の先生はお寺の住職さんであった。隣町のお寺で友達の3歳児とクレヨン画を学んだ。 それ以降も絵を描き続け、本格的に絵画を始めたのは30歳の頃。独学で油彩画を始め、その後すぐに絵画教室に通うことになる。10年ほどの間、絵画教室で学び、団体展などに出展する。 その後、KFSアートスクールで学び油彩画からアクリル画に転向しグループ展や公募展等に出品し続け現在に至る。 ここ20年程は、「太陽」「富士山」「天使」をテーマにして絵画を制作。 画歴は油彩を始めてから数えると35年になる。(2024年現在) 愛知県生まれ 愛知県在住 満園 和久 (Mitsuzono Kazuhisa)