額装の選び方と飾り方のポイント

アート作品をより美しく引き立て、空間全体の雰囲気を高めるために欠かせないのが「額装」です。

額縁のデザインや飾り方によって、作品の印象は大きく変わります。

本記事では、アート愛好家や初心者の方に向けて、額装の選び方と飾り方のコツを詳しくご紹介します。

額装とは何か?その役割と重要性

額装の基本的な役割

額装とは、絵画や写真などの作品を額縁に収めることです。以下のような目的があります。

  • 作品の保護:ホコリや紫外線、湿気から作品を守る。
  • 見栄えの向上:額縁が作品の魅力を引き立てる。
  • 空間との調和:インテリアに合わせた演出が可能になる。
  • 価値の向上:プロフェッショナルな印象を与え、作品の価値が高まる。

額装がもたらす心理的効果

作品に額装を施すことで、鑑賞者に与える印象が大きく変わります。

例えば、シンプルな線画も、重厚な額縁に収めることで高級感が増し、観る人の意識が自然と作品に集中します。

また、額装されたアートは、贈り物としての価値も高まります。

額縁の種類と特徴

木製額縁

  • ナチュラルで温かみのある印象
  • 和風・北欧風インテリアに調和しやすい
  • 経年変化により味わいが増す

アルミフレーム

  • シャープでモダンな印象
  • スタイリッシュな空間やミニマルデザインに最適
  • 軽量で扱いやすい

装飾付きクラシック額縁

  • 伝統的な油彩画やクラシック作品にマッチ
  • 空間に重厚感と格式をもたらす
  • バロック調やアンティーク風の空間におすすめ

マット(マットボード)の使い方

マットの役割

マットとは、額縁と作品の間に挟む中間紙のことです。次のような効果があります。

  • 作品に余白を設けることで視線を誘導
  • 作品とガラスが直接触れないようにする
  • 色の選択で作品の雰囲気を強調

色選びのポイント

  • 白やベージュ:万能で落ち着いた印象に
  • 黒やグレー:引き締まった印象を与える
  • 作品の色を拾うアクセントカラー:一体感を演出

額装を選ぶ際のチェックポイント

作品のスタイルに合った額装を選ぶ

  • 抽象画や現代アート:シンプルなフレームが映える
  • 風景画や静物画:木目調やナチュラルなフレームが相性良し
  • クラシックな肖像画:装飾のある額縁で格調高く

サイズと比率を意識する

  • 作品より大きめのフレームを選び、マットで調整することで、見栄えが良くなる
  • 極端に小さなフレームは作品の印象を損なう可能性がある

額縁の色と部屋の調和

  • 壁や家具の色とバランスをとることで、空間に統一感を持たせる
  • モノトーン空間には黒やシルバー、木造りの部屋にはブラウン系が相性良い

飾り方のポイント

飾る場所の選び方

  • リビングルーム:家族や来客が集まる空間。主役級の作品を大胆に飾る。
  • 玄関:第一印象を決める場所。明るくポジティブな作品が◎。
  • 寝室:落ち着いたトーンの作品や癒し系アートがおすすめ。
  • トイレや廊下:小ぶりな作品をさりげなく配置するのがポイント。

高さの目安

一般的に「目線の高さ(床から145cm〜150cm)」が最も自然に見える位置です。

複数飾る場合は、中心のラインが揃うように意識するとバランスが取れます。

ギャラリーウォールの活用

複数の小さな作品を一つの壁にまとめて飾る手法。

テーマや色調をそろえると統一感が生まれ、空間全体がアートギャラリーのようになります。

実用的な額装アイデア

簡単にできる額装DIY

  • 100円ショップやホームセンターの材料を使って、自作の額縁を作成
  • インテリアに合う色に塗装することでオリジナル感アップ

アクリルフレームを活用

  • アクリル板で作品を挟み込む透明フレームは、モダンな印象
  • 特に写真やデジタルアートとの相性が良い

フレームレスで飾る手法

  • 木製パネルやキャンバス作品はそのまま壁掛けしても映える
  • 自然な風合いを生かした飾り方として人気

額装と飾り方に関する注意点

  • 直射日光を避ける(退色や劣化の原因になる)
  • 湿気の多い場所では防湿処理された額縁を使用
  • 強い照明の下では反射や映り込みに注意
  • ガラスを使用する場合は、UVカット仕様がおすすめ

額装を作品販売や展示に活かす

アートを販売する場合、額装の質は顧客の印象に大きな影響を与えます。

以下のような工夫で販売力をアップできます。

  • 作品価格に応じた額装を用意:高級作品には重厚な額縁、手頃な価格にはシンプルなもの
  • 配送時に破損しにくい構造を選ぶ:角の保護や軽量化の工夫も大切
  • 展示用としての額装と販売用を分ける:展示では印象重視、販売用は実用性重視

まとめ

額装は、作品の魅力を引き出し、空間に調和をもたらす大切な要素です。

適切なフレームの選び方や飾り方を知ることで、作品の価値や印象を何倍にも高めることができます。

額縁の素材・色・サイズ・設置場所までトータルに考えることで、あなたのアートライフがより豊かなものとなるでしょう。

ABOUT US
満園 和久
3歳の頃、今で言う絵画教室に通った。その絵の先生はお寺の住職さんであった。隣町のお寺で友達の3歳児とクレヨン画を学んだ。 それ以降も絵を描き続け、本格的に絵画を始めたのは30歳の頃。独学で油彩画を始め、その後すぐに絵画教室に通うことになる。10年ほどの間、絵画教室で学び、団体展などに出展する。 その後、KFSアートスクールで学び油彩画からアクリル画に転向しグループ展や公募展等に出品し続け現在に至る。 ここ20年程は、「太陽」「富士山」「天使」をテーマにして絵画を制作。 画歴は油彩を始めてから数えると35年になる。(2024年現在) 愛知県生まれ 愛知県在住 満園 和久 (Mitsuzono Kazuhisa)